台風や地震などの自然災害は、いつ発生するかわかりません。被害を最小限にとどめるためには、平時にできるだけの備えをしておく必要があります。ペットを飼っている家庭では、人の災害対策に加え、ペットについても備えておかなければなりませんので、なおさらです。
1.調べておくこと ~まずはここから
市町村のホームページで地域の防災対策(防災計画)について調べましょう。災害には地域性もあり、地域によって備えるべき災害の種類も違います。ハザードマップを見ると、災害の被害が想定される範囲や避難場所などを確認することができます。地域特性を知ったうえで、災害へ備えることが欠かせません。
また、「ペット 防災 〇〇市(町・村)」などで検索して、お住まいの市町村のペットの受入れができる避難所やペット防災計画、ガイドラインなどについて確認しておきましょう。
なお、柏市では全ての避難所でペットの屋外避難を受入れる体制を整えるとともに、屋内避難ができる避難施設を定め、市のHPに一覧として掲載しています。
2.家の中の安全対策
大きな地震が発生すると、家具が倒れたり、食器棚から食器が落ちて割れたりする可能性があります。また、地震だけでなく、台風などの暴風によっても窓ガラスが割れることが考えられます。
これらの危険から人とペットを守るためには、家具の固定や食器棚の扉にロックを取付けたり、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ったりといった家の中の安全対策をしっかりとっておくことが必要です。
また、ペットのサークルやケージは、大きな家具や窓から離れた場所に設置するようにしましょう。
3.準備しておくもの ~これだけは備えておこう
大規模な災害が発生した場合、流通の乱れにより、生活必需品が入手困難となることが予想されます。ペット用のフードや消耗品(ペットシーツ、糞処理袋、おむつ、マナーベルトなど)は、予め十分な量を備蓄しておくようにしましょう。フードなど賞味期限があるものは、ローリングストックとして、保管しながら消費するのがおすすめです。
また、避難所など自宅以外の場所へ避難する場合に備えて、緊急時に持ち出すものをペット用の避難袋にまとめ、すぐに持ち出せるようにしておくことも大切です。
避難する際は、ペットを連れたうえで、人とペットそれぞれの避難生活で必要なものを持っていかなければなりません。一度に持ち運べるものには限りがありますので、避難袋に入れておくものは、差し当たって必要なものを優先して厳選するようにします。
優先度の高い持ち出し品(犬の場合):
<食物と薬関係>
- 薬、療法食
- ペットフード
- 飲料水(軟水 人の分と共用)
ペット用の支援物資が避難所に届くまでに時間がかかることが予想されますので、フードは、7日分を目安にできるだけ多く持ち出したいものです。ただし、大型犬や多頭飼いの場合、それなりの量になりますので、持ち出す物資が全部でどれくらいになるか確認したうえで持ち出す分量を決めましょう。
<ペットに関する情報>
- 健康状態や病歴、投薬中の薬、ワクチン接種状況、かかりつけの病院などを記したもの
- ペットの写真(体全体がわかるもの、飼い主と一緒に写っているもの)
以上の2点は、印刷したもの以外に、データをスマートフォンやクラウド上に保存しておくと良いです。
<飼育用品>
- 食器
- 糞処理袋
- ペットシーツ
- オムツ、マナーベルト(必要な場合)
- 予備の首輪、ハーネス、リード
- お気に入りのおもちゃ
- キャリーバッグやケージ
いずれも持ち出したいものですが、最初に避難する際は、無理のない範囲にとどめ、残りは後日、安全を確認してから運び出すようにします。
食器は紙皿(深めのもの)、糞処理袋はビニール袋などで、代用できます。
ペットシーツは、排せつ物処理以外の用途にも使えますので、あると便利です。
普段、遊んでいるおもちゃは、ストレス軽減に役立ちます。
小型犬の場合、キャリーバックに入れて運ぶと良いでしょう。
<その他、人用にも使えるグッズ>
- タオル、毛布
- ウエットティッシュ
- ポリ袋、ビニール袋
- ガムテープ、マジック
- カッター
- 新聞紙
バスタオルなど大きめのタオル類は暖をとったり、ストレスを減らすためにケージを覆ったりするためにも使えます。
緊急時に持ち出すものを決めたら、残りは、避難が長期化したときや、自宅の安全が確認されて在宅避難するときのために備蓄しておくようにします。
>> 「災害への備え(その2)」では、避難行動について知っておきたいことをお伝えします。