犬はどのような動物か? ~犬種による違い

犬の知識

一口に犬と言っても、体の大きさ、体型、被毛の性質や色などは、犬種によって大きく異なります。同じ種の中でこれほど多様な特徴をもつ動物は他に見られないでしょう。犬の種類は、国際畜犬連盟(FCI)が公認するもので356種類(2024年9月時点)、非公認のものを含めると実に700~800の犬種があるそうです。

犬種による違いは、体の大きさや被毛などの外見だけでなく、性質や必要とする運動量、かかりやすい病気などにも表れますので、犬を飼う上で、自分の犬の犬種の特徴を知っておくことは欠かせません。

1.犬種固有の特性

多くの犬種は、人との長い歴史の中で、狩猟、家畜の放牧、警備などの目的に応じて造り出されたため、ペットとして家庭で飼われていても、ふとした時にその犬種固有の習性が、顔を覗かせることがあります。例えば、ボーダーコリーやシェルティは牧羊犬ですので、散歩の途中でバイクや自転車などを見つけると走り出そうとしたり、サイトハウンドやテリアなどの獣猟犬には、猫などの小動物を追いかけようとする傾向が見られます。

必要とする運動量も犬種によって違います。小型犬であっても、狩猟犬をルーツに持つ犬種は、たくさんの運動を必要とします。

犬種によってかかりやすい病気があることにも気をつける必要があります。これまでに知られている犬の遺伝性疾患は、心臓、血液、関節、代謝機能、眼、皮膚など体のあらゆる箇所について、約500種類ほどあります。また、気候への適応性にも、犬種の違いが見られます。人気の高い犬種として知られるフレンチブルドッグやパグなどの短頭種は、暑さに弱く熱中症にかかりやすいため、注意が必要です。

2.雑種犬について

人為的に造られた純血種や、いわゆるミックス犬(マルチーズとプードルなど純血種同士を掛け合わせた犬)と違い、雑種犬はある意味、自然に造られた犬です。日本で飼われている犬のおよそ12%が雑種犬(ペットフード協会調査)ということですが、アメリカでは半数以上が雑種犬なのだそうです。

雑種犬は体が丈夫で健康な子が多いと言われることがありますが、これは、多くの品種が混ざり、多様な遺伝子を持つことによって、純血種に見られるような遺伝性疾患のリスクが低くなるためです。

そして雑種犬の魅力は、なんといっても、その子にしかない特徴をもった唯一無二の存在であるということでしょう。ただし、子犬から飼うときには、少し注意が必要です。

純血種であれば、総じてその犬種固有の特徴を持ち合わせているものですが、多くの品種が混ざっている雑種犬の場合、犬種による判断はできません。親犬がいれば、親犬の特徴からある程度は予測できますが、そうでない場合、雑種の子犬を見ても、成犬になったときの大きさや習性などが、わからないことがあります。

ところで、保健所や動物愛護団体によって保護され、新たな飼い主を待っている犬の多くは雑種犬です。保護犬には保護犬の難しさもありますので、無条件にお勧めできるわけではありませんが、このことも知っておいていただきたいことのひとつです。

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