健康を維持するためには、規則正しい生活を送ることが大事だとよく言われますが、これは犬にとっても同じです。毎日、同じ生活パターンで過ごすことで、次に何が起きるか予測できるため、臆病な子であっても不安を減らし、ストレスを軽減することができます。
1.望ましい生活パターン
人の場合、朝起きて、昼間には活動し、夜になれば眠るという「昼行性」の生活パターンで暮らしていますが、犬は薄明薄暮性といって、夜明けの薄明時と日が沈む薄暮時に活動する動物です。
ですから、朝起きたら、まず散歩に出かけ、その後、朝食、昼間は休息をとり、夕方になったら散歩をして、そのあと夕食を取り、夜には寝るという生活パターンは理にかなっていると言えます。
1日の睡眠時間は、平均で12〜15時間1といわれていますが、外敵を警戒しながら「浅く短く」眠る習性があるため、ずっと眠り続けるのではなく、一日のうちに数回に分けて眠ります。ですので、昼間の目覚めた時や、夕食後に一休みした後の時間で、遊びの相手をしてあげられると良いでしょう。
2.散歩
散歩は、犬にとって、単に体を動かし、運動するだけではなく、家の周辺(=犬にとってのなわばり)のチェック、情報収集、探索、他犬や人とのコミュニケーションの機会でもあります。
また、気分転換やストレスの解消にもなりますし、一緒に歩く飼い主とコミュニケーションをとることで、絆を強めることにもなります。
つまり、散歩は犬にとって、それだけ大切なイベントなのです。
ですから、健康な犬であれば、天候などの理由からどうしても行かれない場合を除き、散歩は、毎日、必ず行く必要があります。(ただし、知らない人や犬、自動車などが怖くて散歩に行きたがらない場合は、無理は禁物です。)
小型犬だから、あまり散歩しなくてよいというのは間違いで、散歩にかけるべき時間は、大型犬でも小型犬でも、基本は同じです。高齢犬の場合は、ゆっくり疲れない程度にします。
散歩は毎日のことですので、飼い主も犬との散歩を楽しめるようにしたいものです。一緒に過ごすひと時、ひと時は、お互いにとってかけがえのない貴重な時間です。
- 睡眠時間は、年齢や活動量・犬種などによっても変わり、1才未満の成長期の子犬や、体力が衰える高齢犬の場合、睡眠時間が長くなる傾向があります。 ↩︎